移住を前進させるのは、大事にしたい「軸」【静岡移住のリアル vol.1】
TurnXでは「静岡移住のリアル」と題し、実際に静岡県内に移住された方の体験談、スケジュール、検討〜実際に移住するまでのお話をインタビューしていきます!
今回は、「静岡移住のリアル」第一弾!
今年2022年の5月に静岡県焼津市にご家族でUターン移住された碓井さんにお話をお聞きしました。
移住スケジュール
【移住までの流れ】
~~~きっかけ編~~~
||移住って、現実味がないと思っていた
―― リモートワークと子育てをきっかけに静岡へのUターンを果たし、家族で焼津ライフを満喫している碓井さんですが、もともと移住への興味はあったのでしょうか?
はい。リモートワークになる前から、漠然と移住には興味がありました。それで、5年ほど前に伊豆の移住フェスが東京であり、1回行ったことがありました。
―― 移住フェスに参加してみていかがでしたか。
現実味はほぼありませんでした。その時の移住のイメージは、海があったり観光地っぽいところを考えていましたが、仕事が全然ないな、と。
紹介されていた仕事が林業と福祉施設。これまではずっと人材業に従事していたので、自分自身のキャリアプランを考えると、現実味がなくて。伊豆から東京に通うにも大変だし、仕事的にも無理かな、という印象でした。
―― 移住ありきだったらある仕事の中から選ぶことになると思いますが、碓井さんの場合はキャリアも追いかけたくて天秤にかけたわけですね。
~~~決断編~~~
||子育てを両親に手伝ってもらいたくて、移住を再検討
―― その後、5年越しに移住を本格検討し始めたのですよね。
はい。リアルに検討を始めたのが2022年2月です。そして2022年5月にすぐ移住、タイミングが合ってすんなり進みました。
―― 新型コロナウイルス感染症が蔓延しはじめた当初からリモートワークだったそうですが、最近になって移住を再検討したのはなぜですか?
5年前にちょっと検討して「移住、無理だな」となってからは移住のことは頭から離れていました。リモートワークになっても、家にいて仕事ができるって楽だなくらいにしか思っていませんでした。しかもマンションを買っていたので、そこから動くという選択肢もほとんどなく、妻も東京で仕事をしていたので、全然移る理由がなかったんです。
―― 家があるとある程度そこに根差しますもんね。では、保育園を探しだしたことが大きなきっかけに?
そうですね。妻が産休・育休明けて働きだしたときに子供を見る人がいないぞと。生まれる前は、自分がリモートワークだから子供を見ながら仕事できるかと思っていましたが、生まれてみたら100%無理だと気付きました(笑)。お互いの両親が手伝いに来てくれたときすごく楽で、これは助けが必要だと気付きました。それで、どちらかの地元に移った方がいいんじゃないかという話になりました。
―― 5年前同様に、移住フェスや移住イベントに参加されたのですか?
いや、今回は全くそういうイベントには参加しませんでした。なぜかというと、今回は移住の目的がしっかりしていたからです。過去の移住相談はリゾート気分というか、行ったことない場所や行ってみたいところにとりあえず行ってみよう、ただし生活水準は落とさずに、みたいな。今回は「親に子育てを手伝ってもらう」と、「仕事はそのままでいく」それが大事だったので、それだけ合致すれば、あとは知っているとこに移住すればいいだけ。ネットで自治体の支援制度を見たくらいで、意思決定に関わる部分では特になにも見ませんでした。
―― 移住の方針として「子育てを両親に手伝ってもらうために近くに住む」「キャリアとして今の職業を続けられる」という2本柱ということですね。
目的がかなりはっきりしていますが、逆に障壁や不安はありませんでしたか?
そんなに大きな不安ではありませんが、自分は「ある時突然毎日出社してください」なんて言われないかということと、あとは、妻が職場を変える前に移住の決断をしたので、妻の勤務先の希望が果たして通るかは心配でした。
||Iターンとなる奥様。反対はされなかったのですか?
もともと移住には2人とも興味がありました。妻はフットワークが軽くて、薬剤師なのですが沖縄と九州で派遣薬剤師をやったりしていて。それで地方いいな、となったみたいです。
―― 不安要素だった奥様の勤務地については、どのように解決したのですか。
大きい組織に属していて、グループ会社の支店が焼津にありましたが、ピンポイントで希望が通るかどうかは五分五分くらいでした。ただ、妻としては肌感で「行けるでしょ!」という勢いでした。住んじゃってるんですけどって言えば行けるでしょみたいな(笑)。
支店が求人募集しているか先に見て、この枠に入れてくれと直談判したみたいです。外堀を埋めていく感じで(笑)。
―― さすが行動派の奥様ですね。天命にゆだねるだけでなく自分からとりにいくスタイル。ところで、奥様の実家のある兵庫ではなくて静岡にしたのはなぜですか?
どれくらいサポートしてもらえるかが最大のポイントで、その点でいうと僕の実家の方が、フルタイム勤務ではなくて融通がきく様子でした。妻の両親はフルタイムや夜勤で不定期だったりしたのと、妻としても旦那の親に頼むことはやぶさかではないとのことで、静岡にしました。
―― 移住の柱の「子育てへの支援」を重視した結果だったんですね。焼津への奥さんの移住前の印象はどうでしたか?
あんまり印象ないっぽいですけど(笑)、実家には何度か来たことがあったのと、物件を見に何度か訪れて、公園が多いとか、子供を育てるという目線で見たときに結構快適じゃないかとは言っていましたね。
―― 奥さんがIターンになると結構説得とかするのかなって思っていましたが、説得というよりは、奥さんがアクティブで静岡もOKでGOGO行こう行こうって感じだったのですね。
そうですね。ですのであんまり参考にはならないかもしれないですけど(笑)。
~~~実行編~~~
||移住地の決定と家探し
―― 移住地を焼津に、はどうやって決定されたのですか。
もともとは島田・焼津・藤枝、で考えていました。妻の勤務地として狙っていた焼津に車で通える+実家の支援が受けやすいところ、として3候補になりました。あとは高校が焼津だったので焼津はなんとなく十何年前ですけど見たことある、みたいな親近感はありました。
―― 購入していたマンションは売却や賃貸など、どうしましたか?
妻の妹に貸しに出しました。移住の意思決定にも関わっているのですが、2022年5月の末に妹のマンションの更新があるとのことで、それまでに自分たちが移住の意思決定ができれば妹に貸すことができると。そこがお尻になって移住の後押しになりました。
それがなければ、もっと時間がかかったかそのまま話が流れた可能性もありそうです。
―― ご自宅はいつ頃探し始めましたか?
移住しようと考えた2月頃からネットで見始めて、1か月くらい調べてから、静岡で物件の見学をしました。賃貸と売り物件の両方を候補にしていました。移住当初は、子どもが小学校にあがる頃に東京に戻ろうと思っていたんですが、結構今が快適で、子どもが意思を持つようになって静岡離れたくないと言い始めたら、東京の家を売ってこちらに家を買おうかなという話もしています。
―― 東京に戻ろうと思っていたんですね!なぜですか?
教育面ですね。小学校くらいから東京の方が何かといいかなと。特に明確な理由はないですけど。自分が田舎の閉鎖的なところで育ったので、東京に出たときに育ちの違いというか、感じてきたものの違いがすごくて。例えば私立の学校に行ったりとか、いろんな人がいる環境ってすごいなみたいな。習い事など、本人がやりたいことの選択肢も広いかなというのが何となくありました。
―― 当初考えていた東京に戻る選択肢が薄れるほど、静岡の暮らしのどんなところが気に入りましたか?
1つ目は「人が少ない」ところです。飲食店なんかは、結構有名な美味しいって言われるお店に行っても待たなかったり。あとは公園がすごく多くて駐車場付きで全然混まないですし、犬を飼っているんですが解放しても全然大丈夫。東京だと犬は入れるなボールで遊ぶなみたいな。移住前は、都内の自宅近くに大きい公園があって、よく行っていたのですが、休日になると人が多すぎて、全然ゆっくりできないんです。でも焼津では、同じくらい大きい公園がそこら中にあるのがすごく良いですね。あとは個人的にですけど、パン屋さんが多くて。朝、パン屋さんでパン買って公園に寄るのが快適で気に入っています。
2つ目は、「自宅近くの子育て支援施設が充実している」ところです。焼津の子育て支援センターとか藤枝の蓮華寺池公園のキッズパークが無料であったりなど、そういうのが多くて。さらにやっぱりそういうところも、ある程度人はいるんですけど結構空いていて、全然入れませんとか何時間待ちですとかないので、そういう部分のストレスは全然ないですね。基本車移動なので快適ですし、どこに行っても空いていて快適なのがやっぱりいいですね。
||東京サイコーから、価値観の変化が起きた
どちらかというと僕はもともと都心が好きだったんですよ。もしかしたら田舎育ちあるあるか分からないですけど東京サイコー、みたいな。一生東京出ないぞって感じだったんですが、あるときから毎日じゃなくてもいいなと思い始めたんです。10年くらい住んだらそうなるのか分からないですが、その辺の価値観を振り返ってみるというか。実際これ毎日必要かな、伊勢丹近くに必要かなみたいに考えると、別に毎日はいらないな、なくても生きていけるなみたいな。特に新型コロナウイルス感染症が蔓延して全然家を出なくなったときに、別に行かなければどこにも行かないんだってことに気づいて、その分の家賃の使い道など考えました。都心に住んでみて、価値観ちょっと変わりましたね。東京のその生活に特別感はなくなってきていました、なんでもある、ということに対して。
【移住してみて】
||親の近くでの子育て。親孝行できた気がして嬉しい
―― 保育園問題は焼津にきて解消されそうですか?
結論、解消されそうです!東京との状況の違いとして親に預けられるので保育園に預けなくてもいいってことになるので今のところ大丈夫そうというのと、保育園に行くにしても待機児童はいるようですが、東京ほどではないらしいです。その辺の情報も、妻が子育て支援センターで周りのお母さんたちから教えてもらっているみたいです。
―― ご両親が近くにいるって、改めて大きいですね。
孫が生きがいみたいなことを言っていて。親が喜んでくれるっていうのがすごくいいですね。親に預けるって、負担かなと思っていたんですが逆で、毎日会いたいみたいな感じです。その点は勝手に親孝行できたと思っているというか、僕としてもすごく嬉しい点ではあります。
【さいごに】
||移住を前進させるのは、大事にしたい「軸」
移住って、生活様式が変わったり大きな決断なので、不安や考えることも多いと思います。
僕もそうでしたが、これだけは譲れない軸だけ決めておけばあとは多少ぶれてもなんとかなるはずなので、今回僕は子育てとリモートワークが軸だったので、それさえクリアできればどこでも生活できる、大丈夫と考えていました。絶対に譲れないものさえ決めれば、あとは割とすんなり決められて、前進すると思います。
―― ありがとうございます。優先順位というか、大事な軸が碓井さんの場合しっかりされたからこそ、移住が成功されたんだろうなというのが聞いていてすごく感じました。ありがとうございました。
【編集後記】
パートナーが Iターン、となると、さぞ説得劇が繰り広げられたのではないかと思っていましたが、柔軟で行動派な奥様のエピソードを聞き、こんなパターンもあるんだ!と思いました。(奥様目線のサイドストーリーも、いつかお聞きしてみたい!)休日の朝にパンを買って焼津の公園で過ごす家族の姿が目に浮かび、とても微笑ましい幸せな気持ちになりました^^
また、年齢やライフステージの変化とともに、価値観が変わり、理想の暮らし像が変わる経験は私にもあり、碓井さんの気持ちの変化にも、私自身がとても共感の多いインタビューとなりました。
今、この記事を読んでくださっている皆さんにも、そのような経験があるのではないでしょうか。あるいは、その渦中でこの記事に出会ってくださったのかもしれませんね。
今回、碓井さんの移住ストーリーのポイントは、軸や優先順位を整理することでした。TurnXでは、静岡特化型移住転職エージェントとして、転職のご相談にとどまらず、移住の軸の整理のご相談もお受けしています。
お気軽に、ご相談ください。
少しでも静岡への移住をご検討の方、ご相談をお待ちしております!
(取材・文 : TurnX 広報 石川恵理奈)
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